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楳図かずお 「イアラ」愛蔵版
 

ウメズ大先生「イアラ」愛蔵版もようやく読了。

http://www.bookshop-ps.com/bsp/bsp_detail?isbn=4091793827

うーむ。
愛した美女の最後の言葉「イアラー!」の謎を解くために数千年生き続ける男。

手塚治虫の「火の鳥」とよく比べられてるようだけど、火の鳥は自身が神みたいな超越的な存在なのに対して、この男は自分自身の妄執を追うためにひたすら行き続ける。

彼が見る人間たちの生き様は不条理で、そこにはカルマとか因果とか宗教的な救いとか全くない。
これはほんとうに楳図かずお独自の哲学的探求で、ただただすごいなあ〜と思う。

あと、他の作品でもそうだけど、特にこの本編では、人間の美醜が根本的なテーマになってるものが多い。
なぜだろうな?
楳図作品の、物凄い美女と、恐ろしく醜い存在の対比。
「人の内面の美しさと外面のそれとは全く関係がない」というのが一貫していて、そのテーマにこれほど執着してる作家は他にいないんではないだろうか。
「イアラ」のラストも、結局そのテーマと深い関係があるのだが。

うーん深い。

それにしても「イアラタオル」デザインすごいw
http://umezz.com/goods/towel/
雑記 寄生獣 バタイユ アスペルガー


最近何かで、「若さを保つ秘訣」のひとつは、「生きる意味を問わないこと」というのがあって、なるほどと思った。

わたしは自分の生きる意味を問うたことは未だかつてないけど、人間は何故生きる意味を問うのか、というのは長年の興味あるテーマです。

「寄生獣」でもおもしろかったのは、最初は「人間のような感情をもたない」「寄生した種を殺して己の生命を維持することのみ目的とする」という存在だったのが、「なぜ自分たちは生まれてきたのか」「自分の存在意義は何か」と問いだすというところ。

まあそういう話でなければ「遊星からの物体X」や「エイリアン」になってしまうので、原作者自身も「ターミネーター2」が好きと書いてあったが、人間に限りなく近い異性物を描くことによって人間とは何かを探求しているからこそおもしろいのです。



ずっとちょびちょび読んでいるバタイユの「宗教の理論」の最初のほうにも、人間以外の動物の存在の法則というのがあってわかりやすい。

****(引用「宗教の理論」ジョルジュ・バタイユ)

競争相手を打ち倒した動物は、その相手の死を、勝利の振る舞い方を示す人間が相手の死を掴むようには捕捉してないというのは、その競争相手が連続性を断ち切っていなかったからであり、だからまたその死が連続性を再びうち立てるということもないからである。

その連続性は疑問視されて亀裂を生じていたのではなく、ただ二つの存在たちの欲望が同一であったために、その二つの存在が対立し、死に至るまで闘争しただけであったのである。

そうした闘争の後で動物の眼差しが示している無感動・無関心は、まさに本質的に世界と等質な実存の徴しである。
そのような実存様式にある生は、世界の内でまさしく水の中にある水のように動いているのである。

*****(ちくま学芸文庫 湯浅博雄訳)


また、「寄生獣」で、「人間は一人一人は非力だが集団になって力を発揮する」とか言われるところもなるほどと思う。

これまたなかなか進んでないが今読んでいる「アスペルガー症候群の天才たち」(マイケル・フィッツジェラルド著)もおもしろいのだが、アスペルガー症候群と診断される人々の中に並外れた創造性をもつ天才が存在するのはなぜか、という考察で、

「おそらく歴史の進歩はしばしば自閉症スペクトラムの病態の人々によってなされたと推測することも可能である。
忍耐、完璧さへの欲動、すぐれた具体的知性、社会慣習を無視する能力、そして他人の意見や批判を気にしすぎないことは、有利な点と考えられるし、おそらくある種の新しい考えや創造性の必要条件であるかもしれない」

とあって、人間という種が進化するには、遺伝子的に人間の特性があるときどきで異種を生じることが必要なのではないかという提議が興味深い。 


 
「寄生獣」 岩明均 


ほんの一部しか読んだことなくて、ホラーSFみたいのかなと思っていたんだけど、この2日で完全版全8巻読んだら全然違って、とてもおもしろかった。

高い知性と情のなさとおちゃめなセンスと容姿。
ミギーはまさにわたしの理想です!!

以下wikiより*****

全10巻のコミックが発行され、2003年には完全版全8巻で新しく発売されている。1993年第17回講談社漫画賞一般部門受賞、1996年第27回星雲賞コミック部門受賞。

スプラッタ的な残酷描写が続くため、モンスターホラーのような印象を与えがちだが、一人の少年の数奇な運命を通して生命の本質を描きつつ、それ故に見えてくる人の尊さと浅はかさを訴えた内容は各方面から絶賛された。

異変は全世界で起こったようだが、物語は日本の一高校生である主人公周辺の事件のみを描く。未曾有のクライシスや軍事利用といったありがちなパターンは描写されていない。

人間を食する『寄生生物側』、最初は捕食されるがままであったが、後に反撃に転ずる『人間側』、そしてその中間者として存在する『新一とミギー側』、この「利害が一致しない」三者間での高度な知略戦がこの物語を他のバイオレンスコミックから一線を画す結果となっている。 また、パラサイト探知能力のある一人間として人類全体のために動きたいと思っている新一と、寄生生物としてあくまで利己的であるミギーとのやりとりもこの物語の見所の一つである。


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